不思議な話が好きで集めている
なるべく不気味でオチがない方がよい
なんなら怪談会で受けが悪いほどよい
そんな話が好きだ
去年探検した廃ラブホテルの部屋の中に、コボちゃんの単行本が置いてあった
ラブホテルに普通コボちゃんなんか置くだろうか?
いや、ホテルの部屋に漫画なんか置いておくだろうか?
誰かが後からやってきて置いたのかもしれない
いやもしかしたら……
こんなふうに色々と謎が深まるほうがよい
全然怖くもないし、別にホテルにコボちゃん置いてあってもいいけど
多分ホームレスがコボちゃん読んでたんだろう
まぁ冗談はさておき
怪談話は突き詰めると「偶然の重なり合い」だと思う
窓の外に見えた女の影
それは偶然風でビニール袋が絶妙な形と角度で飛んできて
偶然近くに女の人がいて、偶然何かに驚いて悲鳴を上げて
そのビニール袋を見て、悲鳴を聞いた誰かが
「女の霊だ!」
と思いこむ
怪異の正体は意外とこんなものかもしれない
そこでかつて事件があったり
窓に残っていた手の跡が湿気で浮かび上がったり
その夜奇妙な夢を見たり
偶然が重なれば重なるほど、それは完成された怪談になる
私も昔、心霊スポットの山奥のトンネルに深夜探検に行った時に、幼い子どもを連れた三人組の親子とすれ違ったことがある
当時は幽霊かと思っていたが、もしかしたら深夜にたまたま山のトンネルに散歩に行っていた親子かもしれないし
一家心中しようとしたけど中止して帰る途中だったのかもしれない
それかたまたま心霊スポット探検に来た三人組の大学生で、その中の一人が6才くらいに見えるほど小さい二十歳の学生だったのかも
誘拐犯と子どもだったのかも……
言おうと思えば理由はあるもんだなぁ
でも怖い
深夜にそんな人たちと山中のトンネルですれ違ったら
上に挙げた偶然の確率は何%くらいだろうか?
偶然我々とその日鉢合わせる確率は
確率が低ければ低いほど面白い、興味深い、そして怖い
ハゲたおっさんが甲羅みたいに薪を背負って川を泳いでたら
それはもう河童である
一瞬目撃しただけなら絶対そう思う
そのおっさんがクエーって叫んだら
さらに河童実が増す
キュウリ持ってたら完璧だ
そんなオッサンいやしないと思うが
でも
昔はいたのかも
意外とそんなもんかもね